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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻10号

1994年09月発行

文献概要

今月の主題 胃底腺領域の分化型癌 主題

胃底腺粘膜領域の分化型癌の臨床診断

著者: 馬場保昌1 佐伯友久1 坂田祐之1 森田秀祐1 田中文彦1 加来幸生1 清水宏1 武本憲重1 竹腰隆男1 尾形悦郎1 冨松久信12 中島總聰3 加藤洋4 柳沢昭夫4

所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2早期胃がん検診協会 3癌研究会付属病院外科 4癌研究会付属病院病理

ページ範囲:P.1031 - P.1038

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要旨 1988年から1993年までに癌研外科で切除され,病理検索が終了した胃癌907例を対象として,背景胃粘膜と癌組織型の関係について検討した.幽門腺粘膜領域(噴門腺粘膜領域を含む)では分化型癌50%(313/624例)と未分化型癌50%(311/624例)はほぼ等しく,中間領域では分化型癌32%(58/180例),未分化型癌68%(122/180例)で未分化型癌が多く,胃底腺粘膜領域では分化型癌2%(2/103例),未分化型癌98%(101/103例)とほとんどが未分化型癌であった.胃底腺粘膜領域に存在した分化型癌の2例は,肉眼型はいずれもⅡc+Ⅲ型とⅡa+Ⅱc型,深達度はⅡc+Ⅲ型がmp癌,Ⅱa+Ⅱc型がsm癌,リンパ節転移はいずれも陰性であった.胃底腺粘膜領域に存在した分化型癌の2例について粘液組織学的染色を行ったところ,いずれも腸型の発現形質を示したことから,2例は胃底腺粘膜内の局所的な腸上皮化生巣からの発生が推定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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