icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻10号

1994年09月発行

文献概要

今月の主題 胃底腺領域の分化型癌 主題症例

残胃吻合部に多発した早期胃癌の1例

著者: 浜田勉1 近藤健司1 板垣雪絵1 西田潤子1 北村成大2 加治文也3

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2社会保険中央総合病院病理部 3順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.1078 - P.1082

文献購入ページに移動
要旨 患者は65歳,男性.33歳時,胃潰瘍で胃切除(Billroth Ⅱ法)あり.食欲不振でX線検査と内視鏡検査を受け,残胃吻合部の多発早期胃癌と診断され手術した.手術標本では吻合部に接して,前後壁に発赤の強い,表面が結節状のイモ虫様隆起を認め,これら2つの隆起に挟まれた小彎に境界不鮮明の褪色した浅い陥凹を認めた.組織所見では前壁は3.0×1.5cm,後壁は1.5×1.5cm,いずれもm,高分化型のⅡaで,その粘膜下層には囊胞状に拡張した腺管を認めた.陥凹は3.0×1.5cm,m,未分化型のIlc型であった.これら癌周囲の背景粘膜をみると,固有腺は軽度の萎縮を認めるもののほぼ保たれていたが,腸上皮化生は癌巣周囲を含む吻合部付近には認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?