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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻11号

1994年10月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の細分類とその意義 主題研究

大腸sm癌における先進部組織異型度とリンパ節・遠隔転移

著者: 望月英隆1 長谷和生1 柳生利彦1

所属機関: 1防衛医科大学校第1外科

ページ範囲:P.1143 - P.1150

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要旨 R1以上の郭清を伴う腸切除を行った大腸sm癌131例を対象に,腫瘍先進部の組織学的所見に着目してretrospectiveに検討を行い,リンパ節(LN)転移や再発の危険因子を明らかにした.LN転移に関しては,深達度sm2,3,sm組織型;中・低分化,INFβ,簇出(+),脈管侵襲(+)の5因子中3因子以下ではLN転移は皆無なのに対し,4因子以上のLN転移率は42.6%に達した.再発に関しては,LN転移(+),深達度sm2.3,INFβ,静脈侵襲(+)の4因子のうち1因子以下では再発は皆無であったのに対し,2因子以上の再発率は15.4%であった.腫瘍先進部の組織学的所見の検索は大腸sm癌のLN転移や再発を予知するうえで重要であり,治療法選択の際に不可欠と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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