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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻11号

1994年10月発行

文献概要

症例

HTLV-1関連胃原発悪性リンパ腫の1例

著者: 坂田祐之1 藤本一眞1 岩切龍一1 大山隆1 松崎美和子1 嶋本義範1 水口昌伸2 徳永蔵3 深川博4 久次武晴4

所属機関: 1佐賀医科大学内科 2佐賀医科大学放射線科 3佐賀医科大学病理 4佐賀医科大学外科

ページ範囲:P.1181 - P.1186

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要旨 患者は,63歳の佐賀県出身の女性で,心窩部痛を主訴に近医を受診した.胃内視鏡検査で,胃角部の潰瘍を指摘され,治療が行われたが,2か月後の内視鏡検査では,病変は不整な潰瘍を伴った隆起へと変化しており,そのほかに胃体部の皺襞の腫大,穹窿部の隆起性病変などを認めた.生検による病理組織学的検査で,悪性リンパ腫と診断した.更に,抗HTLV-1抗体陽性,胃の生検組織でHTLV-Ipro-viralDNA陽性で,成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)と診断した.末梢血や骨髄中には,異常リンパ球は認めずHTLV-Ipro-viralDNAも陰性であった.他臓器や胃の所属リンパ節以外のリンパ節への浸潤を認めなかった.以上のことから本症例はHTLV-1関連胃原発悪性リンパ腫(胃原発ATLL)と考えられた.胃に主病変を置くATLLの報告はまれで,厳密に胃が原発と考えられる報告はなく,今回報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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