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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻11号

1994年10月発行

早期胃癌研究会症例

S状結腸間膜脂肪織炎の1例

著者: 関岡敏夫1 仲井理1 金児潔1 若林正人1 井上勝裕1 遠藤清1 藤江純二1 島袋盛一1 橋本泰1 増田道彦1 平田邦明2 竹田彬一2 飯塚修3

所属機関: 1宇治徳州会病院外科 2宇治徳州会病院内科 3うえだ下田部病院外科

ページ範囲:P.1215 - P.1219

文献概要

要旨 患者は56歳,女性.下腹部痛で来院し,左下腹部に手拳大の腫瘤を触知した.注腸X線検査ではS状結腸は狭窄し浮腫状に腫大したひだがみられ,その辺縁は腸間膜側で不整鋸歯状であった。大腸内視鏡検査ではS状結腸は狭窄していたが,送気により膨らんだ.粘膜面には浮腫状に腫大したひだがみられた.CTではS状結腸間膜は肥厚し腫瘤を形成し,左水腎症も認められた.以上からS状結腸間膜脂肪織炎が強く疑われた。開腹するとS状結腸間膜は黄白色に肥厚していた.開腹生検標本には膠原線維の増生,炎症細胞の浸潤,泡沫細胞がみられ上記診断は確定した.術後半年後のX線・内視鏡検査ではS状結腸はほぼ正常になっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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