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編集後記
著者: 八尾恒良
所属機関:
ページ範囲:P.1222 - P.1222
文献購入ページに移動 工藤によって表面型大腸癌が必ずしもまれでないことが明らかにされ,大腸癌への関心が高まっているのは周知のとおりである。そして,腺腫と癌の診断に差があるのと同様に,sm浸潤の判定にも問題があることが指摘されている.これは,mでだめなら,文句のないsmを相手にしようとした臨床家にはショックかもしれない.しかし,実際にはpseudoinvasionか否か問題とされているのは多くがsm1,それも微小浸潤が多く,石黒が指摘するようにリンパ節転移もなく臨床上の問題は少ないのが救いであろう.
sm癌の細分類にも問題があるとされている.本来,"分類"は臨床的にフィードバックされて意味があると思われるが,リンパ節転移や遠隔転移,それに再発の病理学的要因の取り上げ方がまちまちで,今から解決すべき問題が山積しているようである.臨床の立場からみると,病理学的に粘膜筋板があるのかないのかの判定や,どこにあったのかの推定も単純ではないことを知ったのも驚きである.そして,本号の中では肉眼型の検討がなかったり,表面型の数が少ない論文が多いのが不満である.最初に述べたように,現在の大腸癌の話題は表面型の数多くの発見に基づいているはずである.また,簡単に除去できる有茎性病変とⅡcやⅡa+Ⅱcを同時に論じてもよいのかどうかも問題であろう.
sm癌の細分類にも問題があるとされている.本来,"分類"は臨床的にフィードバックされて意味があると思われるが,リンパ節転移や遠隔転移,それに再発の病理学的要因の取り上げ方がまちまちで,今から解決すべき問題が山積しているようである.臨床の立場からみると,病理学的に粘膜筋板があるのかないのかの判定や,どこにあったのかの推定も単純ではないことを知ったのも驚きである.そして,本号の中では肉眼型の検討がなかったり,表面型の数が少ない論文が多いのが不満である.最初に述べたように,現在の大腸癌の話題は表面型の数多くの発見に基づいているはずである.また,簡単に除去できる有茎性病変とⅡcやⅡa+Ⅱcを同時に論じてもよいのかどうかも問題であろう.
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