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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻12号

1994年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の細分類とその臨床 主題

早期大腸癌の深達度診断―X線診断の立場からみたm,sm1とsm2,3の鑑別

著者: 平川雅彦1 渕上忠彦1 岩下明徳2 臺丸裕3 松坂俊光4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3松山赤十字病院病理 4松山赤十字病院外科

ページ範囲:P.1249 - P.1259

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要旨 早期大腸癌254病変および陥凹型腺腫20病変を対象に肉眼形態別にX線によるm,sm1とsm2,3の鑑別について検討した.無茎性隆起型癌においては大きさに加え,表面構造から腺腫成分の有無を鑑別する必要がある.表面構造が平滑および結節状均一では腺腫成分の有無の判定は困難であったが,結節状粗大はほとんどが腺腫成分を伴わない単一癌であり,この所見は鑑別点になると思われた.腺腫成分を伴わない単一癌の表面構造による深達度診断を試みたが,表面平滑なものはすべてmであり,結節状粗大は80%がsm2.3であった.陥凹性病変ではm,sm1は陥凹部のバリウム斑が平坦均一で周辺隆起は表面平滑ないし結節状均一なものが多かった.一方,sm2,3では陥凹部のバリウム斑が不均一で周辺隆起は表面に大小不同を伴う不均一な結節状を呈するものが有意に多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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