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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻12号

1994年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の細分類とその臨床 主題症例

多発性肝・骨転移を来した大腸sm癌の1例

著者: 大島秀男1 沢田俊夫1 斉藤幸夫1 洲之内広紀1 正木忠彦1 津野寛和1 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1293 - P.1296

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要旨 患者は61歳,男性.便潜血反応陽性のため施行した注腸X線検査で盲腸に隆起性病変が指摘され当科に紹介された.内視鏡所見はIIa+IIc型のsm癌(生検では低分化型腺癌)であり外科的切除の適応と判断した.開腹所見はP0,H0,N0,S0(stageI)であったが,組織型を考慮し回盲部切除術(D3郭清)を施行した.病理組織所見は,poorly differentiated adenocarclnoma,1.8×1.7cm,sm3,INFβ,1y0,v3,n0(0/11)であった.術後7か月に多発性肝転移が発見されたため再入院となり,肝動注療法(5-FU,Cysplatin)を開始した.術後9か月には多発性骨転移(椎骨,肋骨)が確認され,放射線療法,全身化学療法を行ったが,原発巣手術から1年1か月で死亡した.解剖所見では肺転移,リンパ節転移は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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