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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻12号

1994年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の細分類とその臨床 主題症例

肝転移再発を来した大腸sm癌の1例

著者: 中村勇一1 相良光久2 前之原茂穂2 入佐俊昭3 山下正策1 寺田芳一1 南寛之1 宇留島一郎1 島崎隆1 尾辻真人4 西俣嘉人5 西俣寛人5

所属機関: 1天保山記念病院消化器科 2天保山記念病院外科 3入佐内科 4今村病院消化器科 5南風病院

ページ範囲:P.1297 - P.1301

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要旨 患者は47歳,男性.下血のため近医を受診し,注腸X線検査でポリープを指摘された.当院を紹介され,大腸内視鏡検査でS状結腸に大きさ約1.2cmの亜有茎性のポリープを認め,ポリペクトミーを行った.病理検査の結果,組織型は高~中分化腺癌,深達度sm2,脈管侵襲陽性,断端は癌陰性であった.約8か月後に1群のリンパ節郭清を伴うS状結腸部分切除術を施行.開腹所見はH0,P0,S0,n0で,切除標本に癌の遺残は認めなかった.術後約1年5か月後に肝転移再発を来したが,局所再発,リンパ節転移は共に認めなかった.CEA(Z-gel法)は,腸切除前の1.7ng/mlに比較して,肝転移発見時は820ng/mlと著明に上昇していた.術後約2年4か月後に死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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