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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻12号

1994年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の細分類とその臨床 主題症例

脳,皮膚および縦隔に転移した直腸sm内分泌細胞癌の1例

著者: 須田武保1 畠山勝義1 酒井靖夫1 岡本春彦1 島村公年1 西倉健2 岩渕三哉2 渡辺英伸2 奈良井省吾3 石原法子4

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科 2新潟大学医学部第1病理 3聖園病院外科 4済生会新潟第二病院病理

ページ範囲:P.1302 - P.1306

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要旨 患者は63歳,男性.下血と脱肛を主訴に当科初診.大腸内視鏡検査で,直腸のIsp型腫瘍をポリペクトミーされた.病理組織学的には壁深達度smの多数のGrimelius陽性細胞を認める内分泌細胞癌であった.その後,根治手術として低位前方切除術(D3)およびJ型結腸囊肛門吻合術が施行された.組織学的にn2(+)であったが残存腫瘍は認められなかった.術後2年2か月後,脳,皮膚および縦隔に転移を来し死亡した.本稿では,直腸内分泌細胞癌が深達度smにもかかわらず,早期に転移し予後不良な高度悪性腫瘍であることを報告するとともに,内分泌細胞癌を免疫組織化学的,電顕学的および分子生物学的に検討し考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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