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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻12号

1994年11月発行

文献概要

症例

著明な囊胞形成を伴った巨大胃平滑筋肉腫の1例

著者: 小野高志1 飯田三雄1 檜沢一興1 富永雅也1 末兼浩史1 金本孝樹1 槇田裕之1 田中雅夫2 中村昌太郎3 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第1外科 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1319 - P.1324

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要旨 患者は53歳,女性.1992年4月ごろから胃部不快感が出現.同年6月,近医での胃X線・内視鏡検査で胃体上部後壁に径約7cmの粘膜下腫瘍像と肛門側の圧排所見を認めた.CT上は膵尾部に接して約20cmの囊胞形成を伴った腫瘤が認められ,膵囊胞性疾患が疑われた.しかし,超音波内視鏡所見上,胃壁筋層と連続した径8cmの不整な充実性腫瘤部が描出され,血管造影検査でも左胃大網動脈から分枝した新生血管密生像を認めた.手術の結果,病理組織学的にも胃原発の平滑筋肉腫と診断された.リンパ節転移はなく,腫瘍は胃体部後壁から管外性に巨大発育しており,内部の著明な囊胞形成は凝血塊の貯溜によるものであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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