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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻12号

1994年11月発行

文献概要

症例

内視鏡的に切除した十二指腸カルチノイドの1例

著者: 山本智文1 青柳邦彦1 飯田三雄12 桑野恭行1 檜沢一興1 黒木文敏1 小野高志1 八尾隆史3 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2現川崎医科大学内科学消化器II 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1325 - P.1329

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要旨 患者は42歳,男性.1987年から胃潰瘍のため近医で治療を受けていた.1992年4月,上部消化管内視鏡検査で十二指腸第2部に粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.生検でカルチノイドが疑われたため,同年6月精査目的で当科紹介入院となった.入院時検査成績では内分泌学的異常は認めず,転移の所見は認めなかった.超音波内視鏡検査では腫瘍は粘膜下層に限局しており,内視鏡的切除を施行した.切除標本の病理組織学的検査で,腫瘍は粘膜下層内に限局して発育した径9mmのカルチノイド腫瘍で内視鏡的に完全切除されていると考えられた.切除15か月後の現在,再発・転移は認められていない.本例のような小さなカルチノイド腫瘍は内視鏡的切除が可能であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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