症例
粘膜と粘膜下層から成る長い有茎性ポリープの4例―colonic muco-submucosal elongated polyp(CMSEP)の提唱
著者:
真武弘明1
瀬尾充1
王恒治1
大蔵元2
田中啓二3
岡田光男2
松井敏幸1
八尾恒良1
山田豊1
岩下明徳4
所属機関:
1福岡大学筑紫病院消化器科
2福岡大学医学部第1内科
3福岡市医師会成人病センター
4福岡大学筑紫病院病理
ページ範囲:P.1330 - P.1334
文献購入ページに移動
要旨 既存の分類に該当しない4例の大腸ポリープを経験した.いずれも2.5~16cmに至る細長い有茎性ポリープで,病理学的にもほぼ同一の組織像を示した.すなわち,ポリープの表面は正常粘膜に覆われ,粘膜下層は静脈とリンパ管の拡張を伴う浮腫状の疎性結合織から成り,正常の筋層は認めなかった.発生部位は全大腸にわたり,臨床的には49~79歳,女性3例と男性1例であった.このような組織像を示す,大きく長い茎を有したポリープの報告は現在までないが,1つのカテゴリーに入れて取り扱うほうが良いと考え,colonic muco-submucosal elongated polyp(CMSEP)と呼称することを提唱した.