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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患 主題

上部消化管病変が契機となって診断されたCrohn病

著者: 樋渡信夫1 渡辺浩光1 森山聡1 大原秀一1 浅木茂1 豊田隆謙1 白根昭男2

所属機関: 1東北大学医学部第3内科 2白根胃腸クリニック

ページ範囲:P.1369 - P.1376

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要旨 Crohn病と確診がついていない時点で,上部消化管検査によりCrohn病の存在を診断することが可能だったか否かについて検討した.1978年から1994年8月までに初診した163例中,手術や画像検査によるCrohn病の確診・疑診がついていなかったのは38例であった.このうち上部消化管検査や生検を契機としてCrohn病と診断された症例はなかったが,縦列する小潰瘍~びらんと十二指腸の多発性びらんは特徴的であり,肉芽腫は3例に検出された.下痢・腹痛を伴わず,炎症所見も軽度な臨床的非典型例やアフタのみから成るCrohn病の診断に際しては,上部消化管病変やその生検所見が決め手になることもありうると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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