icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患

主題

血液疾患における上部消化管病変の特徴

著者: 青崎真一郎1 濱田富志夫1 馬場泰忠1 新山徹美2 大井秀久2 田畑宏紀2 美園俊明2 米沢善照3 野口昌宏3 青崎真理3 西俣寛人4 蓮井和久5

所属機関: 1済生会川内病院内科 2鹿児島大学医学部第2内科 3鹿児島消化器研究会 4社団法人鹿児島共済会南風病院 5鹿児島大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1377 - P.1388

文献概要

要旨 血液疾患のうち,消化器症状を契機として発見されることが多い成人T細胞白血病の上部消化管病変の特徴について検討した.消化器症状を初発とした成人T細胞白血病6例のX線・内視鏡像および病理所見を呈示し,文献例と合わせ考察した.成人T細胞白血病の食道病変は剖検例では認められるが,X線・内視鏡検査では指摘できなかった.文献例でも報告がなかった.胃病変は全身性悪性リンパ腫や原発性胃悪性リンパ腫と同じ肉眼型を示した.そのほか,“小結節集簇型”病変も文献例でみられた.十二指腸病変は,一部に中心陥凹を有す,多発性の小結節状隆起としてみられた.上部消化管検査で悪性リンパ腫の所見を認めたら,成人T細胞白血病の病変の可能性も考慮し,検索していく必要があると考えられた.また,アレルギー性疾患であるが,腹部症状の著明であったSchönlein-Henoch紫斑病2例についてもX線・内視鏡像を呈示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら