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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患 主題

梅毒の上部消化管病変―鑑別診断を中心に

著者: 堺勇二1 渕上忠彦1 平川雅彦1 平川克哉1 井廻宏1 飯塚佳彦1 天野角哉1 田畑寿彦1 佐藤茂1 佐藤正代1 永江隆1 小林広幸2 岩下明徳3

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2九州大学医学部第2内科 3福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1401 - P.1410

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要旨 胃梅毒7例の臨床像,X線・内視鏡像を検討した.また,表層型胃悪性リンパ腫,AGML,スキルス型胃癌との鑑別点を検討した.胃梅毒7例は男性5例,女性2例,平均年齢37.3歳で,梅毒診断の契機は全例胃X線・内視鏡検査であった.胃梅毒のX線・内視鏡像の特徴として,前庭部の漏斗状狭窄,融合傾向のある多発潰瘍,凹凸顆粒状粘膜などが高頻度にみられ,従来の報告と同様であった.また,胃梅毒に特異的と思われる梅毒性皮疹類似のびらん様扁平隆起を7例中2例に認めた.他疾患との鑑別については,①胃悪性リンパ腫では隆起の様相が強く,散在性の多発小潰瘍,びらんを示すことが多い,②AGMLでは皺襞の腫大に比し,粘膜の凹凸に乏しい,③スキルスでは漏斗状狭窄は少なく,多発潰瘍は少ない,などの点から胃梅毒との鑑別は可能と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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