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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患 主題症例 食道・胃・十二指腸病変が発見の契機となった全身性疾患

食道びまん性ポリープを契機に発見され肺癌を合併したCowden病の1例

著者: 遠藤一夫1 横山善文1 城卓志1 伊藤誠1 武内俊彦1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1417 - P.1421

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要旨 Cowden病の経過観察中,肺癌の合併をみた症例を経験したので報告した.患者は58歳,男性.健診で食道粘膜のびまん性密在性顆粒状変化を指摘され来院.27歳時に左側胸腹部皮膚の血管腫切除の既往があった.家族歴では母が胃癌で死亡.食道粘膜全域にびまん性顆粒状隆起と胃前庭部に散在性に小隆起性病変が観察された.更に口腔粘膜に白色丘疹,右第5指に角化性丘疹,顔面にも丘疹を認めたため,Cowden病と診断した.その後,2年5か月の経過観察後に左肺上葉に腺癌が発生したため切除された.Cowden病は内臓悪性腫瘍の合併頻度が高く,注意深い経過観察が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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