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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患

主題症例 食道・胃・十二指腸病変が発見の契機となった全身性疾患

竹の節状びらんが発見の契機となったCrohn病の1例―Crohn病に特徴的な胃体部小彎の微小病変の提唱

著者: 横田欽一1 斉藤裕輔1 芦田知史1 奥山修兒1 太田知明1 結城正光1 榮浪克也1 野村昌史1 垂石正樹1 綾部時芳1 柴田好1 並木正義1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.1425 - P.1430

文献概要

要旨 患者は32歳,男性.心窩部から臍周囲部痛のため近医を受診した.胃内視鏡検査で十二指腸球部の顆粒状病変と噴門部から胃体中部小彎にかけて念珠状に連なる3条の隆起性変化を認めた.敷石状外観様であるが,縦走潰瘍はなく,皺襞を比較的規則正しく横切る浅いびらんが縦に配列することにより形成された病変であった.このびらん部分からの生検で肉芽腫が検出されCrohn病が疑われた.小腸造影で縦走潰瘍,敷石像が確認され,小腸型Crohn病と診断された.以後Crohn病患者の胃体部小彎を注目して観察したところ,計25例中13例52%に類似した所見が認められ,その特異な外観から"竹の節状びらん"と命名した.文献的記載がなく,Crohn病を示唆する特徴的な胃体部小彎病変として提唱する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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