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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患 主題症例 食道・胃・十二指腸病変が発見の契機となった全身性疾患

十二指腸病変が発見の契機となったCrohn病の1例

著者: 松本主之1 飯田三雄2 青柳邦彦1 佐藤智雄1 木村豊3 中村昌太郎4 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2川崎医科大学内科(消化器Ⅱ) 3木村外科病院 4九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1431 - P.1436

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要旨 患者は28歳の男性.21歳時から心窩部痛が出現し,24歳時から活動性十二指腸潰瘍およびびらん性胃炎と診断され投薬を受けていたが難治性であった.1991年3月から心窩部痛が再発.上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部の活動性潰瘍,第2部の多発小潰瘍および幽門前庭部のびらん性胃炎を認め,前庭部の生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫が検出された.更に小腸の縦走潰瘍および小腸・大腸の多発性小潰瘍ないしアフタ様潰瘍を認めたためCrohn病と診断した.Crohn病における上部消化管の微細病変は本症の診断の契機となりうるので,その特徴を熟知しておく必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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