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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻13号

1994年12月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管病変の特徴からみた全身性疾患 主題症例 食道・胃・十二指腸病変が発見の契機となった全身性疾患

十二指腸多発腺腫を契機に発見された家族性大腸腺腫症の1例

著者: 檜沢一興1 飯田三雄2 青柳邦彦1 李成来1 中村昌太郎3 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2川崎医科大学内科(消化器Ⅱ) 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1445 - P.1450

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要旨 患者は20歳,女性.左季肋部痛を訴え来院.上部消化管X線検査で,十二指腸球後部を中心に多数の小隆起を認め,内視鏡下生検で管状腺腫と診断した.そこで,家族性大腸腺腫症(FAC)を疑い全身の検索を行った.その結果,潜在性骨腫を伴うFACと診断され,22歳時に結腸全摘術を施行した.現在まで約13年の経過観察中,22歳時に十二指腸乳頭部粘膜から腺腫,23歳時に胃前庭部の2個のびらん様陥凹から腺腫の組織像が確認された.FACにおける上部消化管病変の頻度は高率であり,本症の重要な診断指標となりうる.最近,本症における上部消化管癌の発生が問題とされており,文献的考察のうえ報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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