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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻2号

1994年02月発行

今月の主題 胃良・悪性境界病変の生検診断と治療方針

主題

胃良・悪性境界病変(GroupⅢ病変)の長期経過からみた生検診断の問題点

著者: 渕上忠彦1 岩下明徳2 堺勇二1 平川克也1 平川雅彦1 小田秀也1 市丸壽彦1 臺丸裕3

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3松山赤十字病院病理

ページ範囲:P.153 - P.168

文献概要

要旨 生検でGroupⅢと診断されX線検査による経過が3年以上ある胃隆起性病変41例44病変を対象とし,大きさと組織異型度の変化について検討した.結果は,増大24病変,不変17病変,消失3病変で,54.5%が増大した.増大した24病変の最終診断は,癌9病変,境界領域3病変,腺腫12病変で,各々の平均doubling time(面積)は,32.5,67.8,131.5か月で癌と腺腫間には有意の差があり,境界領域はその中間であった.最終診断癌は,通常のⅡa型癌に比し水平に発育する傾向を有し発育速度は遅かった.最終診断癌の初回生検像は,見直しでも全例GroupⅢの範疇で腸型形質,tubularを基本とするが一部に胃型形質またはvillous patternを混じるものが多く,これらの所見を有する病変は癌または癌化のhigh risk病変として取り扱うべきと思われた.腺腫は29病変中12病変(41%)が増大したが,緩徐な発育であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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