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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻3号

1994年02月発行

文献概要

特集 早期大腸癌1994 主題 Ⅰ.見つけ出し診断法 2.大腸癌の集団検診

大腸癌の集団検診―二次検診における問題点とその解決のための提言

著者: 丸山雅一1

所属機関: 1(財)癌研究会附属病院総合健診センター

ページ範囲:P.13 - P.16

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要旨 日本の医療の現状を考慮すれば,大腸癌の集団検診は時期尚早であることを強調した.大腸癌の集団検診を実施すれば,集団における死亡率の低下が期待できるという理由だけでこれを強行し,システムの不備は精神論で補うという方法論は,時代錯誤である.一方では,医師,看護婦をはじめ,メディカルスタッフの数を削減しようとする動きがあり,他方では,更にメディカルスタッフの増員を必要とするシステムを構築しようとする精神構造に疑問を抱かざるをえない.豊かさを追求する思想の延長線上に癌の集団検診を位置づけること自体が,現行の医療制度を危うくしている大きなファクターの1つではないだろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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