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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻3号

1994年02月発行

文献概要

特集 早期大腸癌1994 主題 Ⅰ.見つけ出し診断法 3.X線検査

(3)X線検査の精度

著者: 松井敏幸1 津田純郎1 八尾恒良1 北原健二1 竹中国昭1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.33 - P.43

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要旨 早期大腸癌と表面型腫瘍を対象にしてX線検査による見つけ出し診断の現況を分析した.隆起型病変の誤診率は内視鏡検査を基準にすると7.4~35%であった.誤診率は全大腸内視鏡検査を基準にすると高率となり,右側結腸に高い傾向があった.早期癌のうちsm癌の誤診率は0~37.5%と幅があり,誤診原因の主なものは見逃し(描出),右側結腸病変,多発病変症例であった.以上から,早期大腸癌の存在診断能を向上させるためには右側結腸の丁寧な検査とX線読影能の向上と前処置の改善が必要で,また全大腸内視鏡検査を頻用することが望ましい.表面型腫瘍のルーチンX線描出率・正診率は徐々に向上している.すなわち,Ⅱaでは5mmを超えると50%以上が,陥凹をみる型でも15~28%が正診され,再読影時の診断率は初回読影時の約2倍であった.更に精密X線検査では80%近い描出率がなされ,今後X線検査による診断能の向上が期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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