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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻3号

1994年02月発行

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書評「内科医の薬100」 フリーアクセス

著者: 松村理司1

所属機関: 1市立舞鶴市民病院

ページ範囲:P.84 - P.84

文献概要

 臨床医学の諸分野の中で,わが国が欧米に比べて大きく劣るものの1つに,臨床薬理学がある.大学でもきっちり教わらないようだ.まして,実際の医療現場での薬の使い方の論理となると,お寒い限りだ.漢方や生薬に対する歴史の長い“無害信仰”が,最新の化学合成薬に対しても通用するとでも錯覚されている.そうでなければ,どれほど薬価差益があろうと,また医薬分業がなかろうと,20種類以上もの多剤併用をする医師が存在できるわけがない.

 卒後教育は,この点でもお粗末だ.研修医時代の薬の使い方も,そのときどきに所属した医療環境のたまたまのやり方に馴染むといった程度のことが多い.だから,具体的な教師がナースだったり,MR(medical representative)だったりもする.全くの“我流”だから,正統でも“独創”でもない.卒後何年かたって“専門医”になっても,状況はさほど変わ

らない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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