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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻4号

1994年03月発行

文献概要

今月の主題 食道粘膜癌―新しい病型分類とその診断 主題

食道粘膜癌の新しい病型分類とX線診断

著者: 八巻悟郎1 海上雅光2 鶴丸昌彦3 西澤護4

所属機関: 1虎の門病院放射線診断学科 2虎の門病院病理学科 3虎の門病院消化器外科 4東京都がん検診センター

ページ範囲:P.289 - P.300

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要旨 食道粘膜内癌のX線診断を,新しい分類-m1,m2,m3-から検討した.(1)初回X線検査による隆起型癌の発見は,m1は不確かであったが,m2,m3では10病変中8病変(80.0%)とほとんど発見できた.一方,陥凹型は,m1,m2の発見は困難であった.しかし,m3では,6病変中2病変(33.3%)発見できた.(2)精密X線検査では,二重造影像における伸展の相違と所見の現れ方を検討した.隆起型癌では,過伸展でも中等度に伸展させた像でも深達度による所見の現れ方にあまり相違はなかった.軽度に伸展させた二重造影像では,かえって病変の指摘が困難であった.陥凹型癌は大きさ別に検討したところ,1cm以下の癌では,辺縁の不整像は見られず,中等度に伸展した二重造影像で陰影斑が見られるくらいであった.1~3cmの癌では,中等度に伸展した二重造影像で,ひだ中断と陰影斑を描出することにより病変を捉えられた.また,m1とm2では辺縁の不整像は捉えにくいが,m3ではかなり捉えられた.3cm以上の癌でも中等度に伸展した二重造影像で,ひだ中断と陰影斑を描出することで,病変を捉えることができた.そして,辺縁の不整像は,m1とm2では捉えにくいがm3ではかなり捉えられた.しかし,病変が大きいので,病変全体を描出するのが困難な例もあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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