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今月の主題 食道粘膜癌―新しい病型分類とその診断
主題
文献概要
要旨 食道粘膜癌(m癌)はリンパ節転移がほとんどなく,予後も良好であることから早期癌と呼ぶべき性質を備えている.m癌の内視鏡型はⅡ型が中心ではあるが,現行の病型分類ではⅡa型,Ⅱc型にm癌,sm癌が広く含まれるためにm癌が見えてこないのが問題である.このため当科の表在食道癌86病巣を見直して,m癌の病型について検討した.この結果,m癌の病型はⅡb型および,Ⅱc型のうち陥凹面内が平滑で,わずかな微細顆粒が少数見られるもの,Ⅱa型は明らかに粘膜面に露出した丈の低い隆起とすると,m癌を抽出することができる.更に,残ったsm癌の扱いについて検討した.
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