文献詳細
今月の主題 大腸Crohn病―非定型例の診断を中心に
主題
文献概要
要旨 肉眼的病変を有する大腸Crohn病の外科切除41例(代表的病変数44個)を用いて,その肉眼的典型像・非典型像の診断について病理形態学的に検討した.縦走潰瘍型17病変,玉石敷石(+炎症性ポリポーシス)型19病変(うち,7病変の盲腸Crohn病はすべてこの肉眼型),炎症性ポリポーシス型3病変,不整潰瘍型5病変であった.非典型の不整潰瘍型は,いずれもその一部に縦走潰瘍を有していたことから,縦走潰瘍型の進行した型と考えられた.肉眼的に非典型大腸Crohn病と判断された病変-帯状粘膜萎縮像,潰瘍性大腸炎様像-は組織学的に検査すると,縦走潰瘍型や不整潰瘍型であった.肉眼的非典型像は内科的治療による肉眼像の修飾,感染性大腸炎の合併,虚血や腸管狭窄に伴う二次変化,粘膜下の裂溝が二次感染で迷路状の膿瘍を形成すること,などに起因していた.
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