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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻5号

1994年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸Crohn病―非定型例の診断を中心に 主題症例

大腸結核との鑑別が問題となった大腸Crohn病の1例

著者: 髙田興1 平田一郎1 吉田隆1 江頭由太郎1 杉和憲1 野中親哉1 森川浩志1 高尾雄二郎1 吉村憲治1 吉積宗範1 中川憲1 大柴三郎1 川西賢秀2

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2吹田市民病院外科

ページ範囲:P.457 - P.462

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要旨 患者は66歳,女性.主訴は腹部膨満感と軟便である.前医でCrohn病と診断され治療を受けていた.当科受診時には既に緩解期となっていたが,萎縮した大腸粘膜からの生検で,Crohn病に特徴的な非乾酪性,萎縮性の肉芽腫が認められた.しかし注腸,内視鏡検査では,下行結腸から上行結腸にかけての腸管短縮と炎症性ポリープ,粘膜橋の多発,盲腸変形,回盲部狭窄などが認められ,活動期には一部輪状傾向を有する潰瘍もみられた.更にツベルクリン反応中等度陽性であったことも合わせ考えると,Crohn病よりは,むしろ大腸結核が疑われた.しかし,本症例の場合,前医での十分量のステロイド投与が著効を示したことから,最終的に大腸Crohn病と診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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