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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻5号

1994年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸Crohn病―非定型例の診断を中心に 主題症例

潰瘍性大腸炎との鑑別に難渋した長期経過Crohn病の1例

著者: 北野厚生1 押谷伸英2 松本誉之2 中村志郎2 小畠昭重2 大川清孝3 小林絢三2

所属機関: 1芦原病院内科 2大阪市立大学医学部第3内科 3大阪市総合医療センター内科

ページ範囲:P.471 - P.478

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要旨 患者は27歳,男性(1983年来院).1980年に1日5行の下痢,腹痛を生じ,その後粘血便(痔出血も伴う)を来した.注腸X線ではS状結腸と下行結腸のびらん性変化を,直腸鏡では直腸部のびらんと易出血性変化を指摘され,潰瘍性大腸炎(UC)と診断された.今回(1983年)は1日10行の下痢,腹痛,発熱を主訴とし精査目的で入院した.入院当初の大腸画像診断では直腸から上行結腸まで連続性にびらん,浮腫性変化,潰瘍性病変を認め,この段階ではCrohn病(CD)と確診される特徴的所見に乏しかった.その後の長期経過における画像では横行結腸,上行結腸に狭窄,縦走潰瘍を主病変とする病変が出現すると共に回腸末端部にもCDにcompatibleな病変が出現した.発症時のdiffuseな病変はUCにcompatibleであったが,約10年間の長期経過と共にCDに特徴的な画像が出現した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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