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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻5号

1994年04月発行

症例

範囲および深達度診断に苦慮したⅡc型早期胃癌の1例

著者: 田中信治1 日高徹2 春間賢1 島本丈裕1 吉原正治1 田利晶1 隅井浩治1 梶山梧朗1 西山正彦3 山下芳典3 嶋本文雄4

所属機関: 1広島大学医学部第1内科 2安佐市民病院内科 3広島大学原爆放射能医学研究所外科 4広島大学医学部附属病院病理部

ページ範囲:P.485 - P.490

文献概要

要旨 患者は50歳,女性.1992年9月,心窩部不快感を主訴に来院.胃内視鏡検査で前庭部後壁のⅡc型早期胃癌と診断した.病理組織学的には最大径4.5cmの印環細胞癌で,深達度はsmであった.しかし,X線・内視鏡像ともにsmを示唆する所見に乏しく,また,病変の拡がりに関しても,mの部分で癌細胞が全層性の場所と,その周囲に既存の腺窩上皮と固有胃腺の間を疎に浸潤する場所がみられ,多彩な像を呈していた.本病変は印環細胞癌の浸潤様式を考えるうえで示唆に富む症例であり,画像診断と切除標本の対比の重要性が改めて認識された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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