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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻6号

1994年05月発行

文献概要

今月の主題 アフタ様病変のみのCrohn病 主題症例

アフタ様病変のみで発症したCrohn病の1例

著者: 小畑寛純1 中條忍1 大石高治2 塩見殻彦3 小山茂樹3 馬場忠雄3 細田四郎3

所属機関: 1大阪府済生会吹田病院内科 2健康保険滋賀病院 3滋賀医科大学第2内科

ページ範囲:P.541 - P.545

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要旨 患者は23歳,男性.発熱,下痢,腹痛を主訴に入院した.入院時,CRP高値,血沈亢進などの炎症所見を認めた.便培養では有意な細菌は検出されなかった.大腸内視鏡検査で横行結腸に縦列するタコイボ様のアフタ様病変を認めた.この部位の生検で非乾酪性類上皮肉芽腫を認めたので,臨床所見と併せてCrohn病と診断した.約1か月でアフタ様病変とは別の部位に縦走潰瘍やcobblestone appearanceを認める典型例に進行した.当初認めたアフタ様病変は治癒していた.IVHとし,prednisoloneとsulfasalazineの投与で緩解を得,その後現在まで緩解状態を維持している.アフタ様病変は本例では必ずしも進行しなかったことから,単なるCrohn病の初期病変でないことを示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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