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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻6号

1994年05月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

残胃に発生したMALTリンパ腫の1例

著者: 前原知抄12 中野浩2 岡勇二1 日下部篤彦1 桑原由孝1 田原裕文1 近藤紀子1 大菅雅宏1 野畑和夫1 平林紀男3 谷田部恭4 森瀬公友5 楠神和男5

所属機関: 1名古屋第一赤十字病院消化器内科 2藤田保健衛生大学病院消化器内科 3名古屋第一赤十字病院検査部病理 4名古屋大学医学部第1病理 5名古屋大学医学部第1内科

ページ範囲:P.593 - P.598

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要旨 患者は41歳,男性.26歳時に胃切除術を受けたが,詳細は不明である.残胃の精査のため来院した.胃X線検査では,残胃(Billroth Ⅰ法)の伸展は良好であったが,不整な粘膜ひだと,その表面に微細な浅い陥凹を認めた.胃内視鏡検査で小彎を中心に浮腫状の粘膜ひだを認め,浅いびらん様の変化が散在していた.生検で悪性リンパ腫が疑われた.切除標本では,病変は小彎を中心に腫大した径不同の粘膜ひだから成り,前後壁に拡がっていた.組織学的に本症例は深達度pmのmucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫であった.免疫組織学的および分子生物学的な検討では腫瘍細胞の単クローン性が証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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