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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻6号

1994年05月発行

文献概要

症例

内視鏡的に切除しえたintraluminal duodenal diverticulumの1例

著者: 細川鎮史12 水上祐治1 耕智直子1 宇佐美明彦1 太田康幸1 大嶋完二3

所属機関: 1愛媛大学医学部第3内科 2国立病院四国がんセンター内科 3済生会今治病院内科

ページ範囲:P.599 - P.604

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要旨 患者は21歳,女性.1989年8月から繰り返す急性膵炎発作を主訴に1991年4月当科受診.上部消化管X線検査で,intraluminal duodenal diverticulumに特徴とされる,周囲に薄い隔壁様の透亮像を有する西洋梨状陰影を認めた.内視鏡検査で,十二指腸管腔内の吸引,送気で移動する憩室を認めた.憩室付着部位とVater乳頭の位置関係から内視鏡的切除可能と判断,ポリペクトミーの手技で切除した.切除標本では,憩室は両面とも十二指腸粘膜に覆われ,粘膜筋板を有していた.このことは本症の発生原因として不完全十二指腸隔膜説を支持する所見であり,急性膵炎の発症原因として本症が関連していたと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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