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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻6号

1994年05月発行

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編集後記 フリーアクセス

著者: 多田正大

ページ範囲:P.612 - P.612

文献概要

 前号に続いて,今月号もCrohn病の特集である。それほどCrohn病はわれわれの頭を悩ます,そして興味深い消化器疾患である.Crohn病の形態的特徴として縦走潰瘍,敷石像,非乾酪性肉芽腫などの所見が金科玉条とされてきたが,このような所見を有さない非定型的な本症が存在することが明らかになってきている.その1つが今回取り上げられた“アフタ様病変”が多発するCrohn病である.このような非定型的なCrohn病を1グループで21例も集積した八尾論文,そして多施設集計を行った樋渡論文には説得力があり,本号の核になっている.

 八尾論文にも記載されているし,各主題症例にもみられるように,一口にアフタと言っても,その形態にかなりの差違がある事実は興味深く,一気にゲラ刷り原稿を読破してしまった.今回の特集で,どうやらCrohn病における“アフタ”の病態について,光明が見え始めたのではないだろうか.そして各地から集められた“非典型的Crohn病”とされている病変を眺めてみると,もう一度,本症の診断基準について考えなければならないと考えるのは私だけであろうか…?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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