文献詳細
今月の主題 多発胃癌
序説
文献概要
多発胃癌については,臨床診断,外科治療,病理学的な面で,種々多くの問題点があるが,「胃と腸」でこの問題が特集として取り上げられたのは,1968年12月の「多発胃癌」のみであった.今回,1994年に「多発胃癌」を企画したが,この25年間には,胃癌の診断,治療,病理のそれぞれの分野で,多くの進歩がなされてきたにもかかわらず,この「多発胃癌」が25年間取り扱われなかったことは,意外と共に奇異に思われる.
多発胃癌の多くの問題の中で,例えば,多発胃癌の頻度についてみてみる.胃癌の中で,詳細な検討がなされている早期胃癌の多発頻度を,早期胃癌1,000例以上を集積した施設の報告でみると(Table 1)1),6~9%が6施設,10%が2施設,11~15%が5施設であって,最も高い頻度15%は,最も低い6%の倍以上を示している.この差異は,切除標本の病理組織学的検索,特に標本の切り出しの仕方に関連しているものであろう.
多発胃癌の多くの問題の中で,例えば,多発胃癌の頻度についてみてみる.胃癌の中で,詳細な検討がなされている早期胃癌の多発頻度を,早期胃癌1,000例以上を集積した施設の報告でみると(Table 1)1),6~9%が6施設,10%が2施設,11~15%が5施設であって,最も高い頻度15%は,最も低い6%の倍以上を示している.この差異は,切除標本の病理組織学的検索,特に標本の切り出しの仕方に関連しているものであろう.
掲載誌情報