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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻7号

1994年06月発行

文献概要

今月の主題 多発胃癌 主題

多発早期胃癌の見逃し病巣の検討

著者: 八尾隆史1 大屋正文1 宇都宮尚1 恒吉正澄1 岩下明徳2

所属機関: 1九州大学医学部第2病理 2福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.633 - P.642

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要旨 十分な検索ができた84例(196個)の多発早期胃癌中45例(54%)に見逃し癌巣(58個)を認め,これらの特徴を発見癌(138個)と比較検討した.①見逃し癌(平均長径12mm)は発見癌(28mm)より有意に小さかったが,20mm以上の癌巣も10個(17%)認めた.②肉眼形態はⅡc(67%)とⅡb(16%)で80%以上を占めていた.③占居部位はCMA分類では下部(23%)が上部(30%),中部(34%)より,また大彎(11%),小彎(25%)が,前壁(40%),後壁(33%)より見逃し率が低い傾向にあった.④上部の前壁と小彎,中部大彎,下部後壁では見逃し癌と発見癌の長径に有意差がなく,これらの部位は大きさに関係なく見逃しやすいことが示唆された.⑤見逃しⅡcでは,発見Ⅱcよりsmの線維化(潰瘍瘢痕)の出現率が低く,低分化腺癌の割合が多い傾向にあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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