icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻7号

1994年06月発行

今月の主題 多発胃癌

主題

早期胃癌に対する内視鏡的治療における多発癌の問題点

著者: 川口実1 三神竜1 谷穣1 山田みちる1 緑川昌子1 三治哲哉1 半田豊1 森田重文1 大野博之1 斉藤徳彦1 高瀬雅久1 吉田肇1 鶴井光治1 三坂亮一1 斉藤利彦1 海老原善郎2 清水亨3 芹澤博美3 廣田映五3 南康平4

所属機関: 1東京医科大学第4内科 2東京医科大学第2病理 3東京医科大学病院病理 4丹羽病院

ページ範囲:P.683 - P.689

文献概要

要旨 早期胃癌の内視鏡的治療における多発癌の問題について検討した.内視鏡的治療における多発癌と対比するため,切除胃における多発性早期胃癌の検討も行った.切除胃における同時性多発性早期胃癌の頻度は9.4%であった.しかし,高齢者ではその頻度が高く,70歳台は13.7%,80歳台では17.6%であった.切除胃における多発性早期胃癌の組織型は分化型癌と分化型癌の組み合わせが79.3%であった.内視鏡的治療のうちレーザー照射治療を行った57症例71病巣(平均年齢74.9歳)では,“同時期発見癌”が10.5%,“経過中発見癌”が8.8%であった.内視鏡的粘膜切除術を行った58症例65病巣(平均年齢68.9歳)では,“同時期発見癌”が6.9%,“経過中発見癌”が5.2%であった.経過中に胃内他部位に発見された癌(=経過中発見癌)はすべて内視鏡的治療の適応であったことから,現行の経過観察法で十分であると考えられた.また,多発癌症例は新たに癌が発見される可能性が高く,特に慎重な内視鏡観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら