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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻7号

1994年06月発行

文献概要

症例

過形成性ポリープから発生したと考えられる隆起型早期胃癌の1例

著者: 小林利彦1 木村泰三1 吉田雅行1 礒部信一1 櫻町俊二1 後藤秀樹1 高林直記1 原田幸雄1 喜納勇2 宮原透3 宇野允之4

所属機関: 1浜松医科大学第1外科 2浜松医科大学第1病理 3東京労災病院外科 4宇野外科医院

ページ範囲:P.723 - P.728

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要旨 患者は54歳,男性.1978年に集団検診で胃のポリープ様病変を指摘され,内視鏡下生検で過形成性ポリープの診断を受けた.その後6年間,主に内視鏡で経過観察されていたが,1984年になってポリープの大きさ,表面の性状に著しい変化がみられ,生検で高分化型腺癌と診断されたため胃亜全摘術が行われた.肉眼的には大きさ3.3×2.2×1.0(高さ)cmの,中心に軽度陥凹を伴う隆起性病変であった.病理組織学的には大部分が高分化型管状腺癌で占められていたが,周辺に過形成性変化が残っており,臨床経過からも過形成性ポリープが癌化したものと考えられた.なお,深達度はsmであり,リンパ節転移もなく8年後の現在再発を認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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