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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻7号

1994年06月発行

早期胃癌研究会症例

脊椎後彎症の患者にみられた広範なBarrett食道とBarrett食道潰瘍の1例

著者: 細川治1 海崎泰治1 小西二三男2 津田昇志1 渡辺国重1 坂井寿範3

所属機関: 1福井県立病院外科 2金沢医科大学病理 3坂井医院

ページ範囲:P.729 - P.734

文献概要

要旨 脊椎後彎の女性に認められた18cmに及ぶ広範なBarrett食道とそれに伴ったBarrett食道潰瘍の1例を報告した.患者は64歳,女性.脊椎後彎症のため5年前から矮軀となった.食欲不振と食後の嘔吐を主訴として来院した.X線検査で胸部上部食道に潰瘍と狭窄,胸部下部食道に潰瘍を認め,食道裂孔ヘルニアを伴っていた.内視鏡的には上切歯列から20cmの部位に狭窄と潰瘍,35cmの部位に潰瘍を認めた.生検では胸部上部食道の潰瘍辺縁からの生検でいわゆるspecialized columnar epitheliumが採取され,以下胸部食道全域で円柱上皮が認められた.脊椎後彎に伴う食道胃逆流がBarrett食道の発生と進展に関与したことが疑われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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