今月の主題 胆管癌の画像と病理
主題
胆管癌の胆道鏡所見と組織像との対比―PTCSを中心に
著者:
乾和郎1
中澤三郎1
芳野純治1
山雄健次1
山近仁1
印牧直人1
藤本正夫1
三好広尚1
内藤靖夫2
服部外志之3
奥嶋一武3
肥田野等4
奥村泰明4
加納潤一5
三竹正弘6
所属機関:
1藤田保健衛生大学第2病院内科
2名古屋大学医学部中央検査部
3山下病院内科
4半田市立半田病院内科
5名古屋掖済会病院内科
6豊田市民病院内科
ページ範囲:P.771 - P.775
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要旨 胆管癌症例28例について経皮経肝胆道鏡検査法(PTCS)による内視鏡所見と病理組織診断を対比検討した.各内視鏡所見の出現頻度は,隆起性病変は全例100%(乳頭状隆起32%,結節状隆起54%,粘膜下腫瘍様隆起14%),新生血管は26例(93%),発赤は全例(100%),褪色は6例(21%),不整顆粒状粘膜は11例(39%)であった.隆起性病変の性状により胆管癌の肉眼形態を診断することは容易であった.表層拡大型胆管癌症例12例中11例(92%)に不整顆粒状粘膜が,5例(42%)に褪色が認められた.PTCSにより隆起性病変,新生血管,不整顆粒状粘膜,発赤,褪色などの内視鏡所見を注意深く観察することにより,癌の表層進展の診断も十分に可能である.