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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻8号

1994年07月発行

今月の主題 胆管癌の画像と病理

主題

経口胆道鏡による胆道癌の診断

著者: 五十嵐良典1 石黒淳1 安斎保1 小川聡1 星一1 佐藤正弘1 大橋茂樹1 吉岡秀樹1 前谷容1 酒井義浩1 井上博和2 加藤俊行2 丹羽正之2 斉藤征史2 小越和栄2

所属機関: 1東邦大学医学部大橋病院第3内科 2県立がんセンター新潟病院内科

ページ範囲:P.777 - P.784

文献概要

要旨 黄疸のない胆管癌9例と胆嚢癌の総胆管浸潤2例に親子スコープ方式でPOCSを行った.子スコープ挿入に際してはEST後に行ったが,EST困難例にはガイド・カテーテル内を通して細径胆管鏡を挿入し観察した.11例中9例で挿入に成功し,観察が可能であった.生検診断または擦過細胞診を併用することで確診しえた.また,胆嚢癌の胆管浸潤例では全体に蒼白調であり,辺縁に細血管の拡張があり,胆管癌と鑑別は可能であった.胆管癌では隆起を呈した症例は黄色調か同色調で,周囲の粘膜に凹凸性変化が認められた.狭窄性病変では周囲粘膜と同色調で辺縁に細血管の拡張を伴っていた.ERCで胆道系に何らかの所見が認められたときは,ガイド・カテーテルを用いたPOCSを行い,胆管癌の可能性が少しでもあるときはESTを行ってPOCS下に確実な生検を行うことで,早期の胆管癌の確定診断が得られるものと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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