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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻8号

1994年07月発行

文献概要

今月の主題 胆管癌の画像と病理 主題症例

早期乳頭型胆管癌の1例

著者: 宮崎亮1 松本伸二1 中山吉福2 井上浩1 安波洋一1 池田靖洋1

所属機関: 1福岡大学医学部第1外科 2福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.812 - P.816

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要旨 患者は58歳,女性.黄疸と嘔気を主訴に入院となった.CTで拡張した総胆管内に充実性の腫瘤を認めた.内視鏡的膵胆管造影と経皮経肝胆管造影で,下部胆管に片側性の表面不整な隆起性病変(25×15mm)が認められた.腫瘤は圧迫撮影により形状が変化し,胆管右側を基部として可動性を有した.バリウムと二酸化炭素による胆管二重造影では病変の表面構造がより明瞭に描出された.経皮経肝胆道鏡では,新生血管を伴う表面不整な腫瘍がみられ,生検で腺癌の診断を得た.膵頭十二指腸切除術を行い,絶対治癒切除となった.病理学的に,一部線維筋層(fm)まで浸潤する早期乳頭型胆管癌であった.早期乳頭型胆管癌の診断には,直接胆管造影(特に圧迫撮影),胆管二重造影,更に胆道鏡検査が有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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