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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻8号

1994年07月発行

文献概要

今月の主題 胆管癌の画像と病理 主題症例

無黄疸で診断された早期胆管癌の1例―超音波診断(US,EUS,術中US)を中心に

著者: 遠藤正章1 羽田隆吉1 吉原秀一1 森田隆幸1 鈴木純1 大石晋1 清藤大1 鈴木英登士1 佐々木陸男1 今充1 石井正孝2 渡部肇2

所属機関: 1弘前大学医学部第2外科 2弘前大学医学部第3外科

ページ範囲:P.821 - P.826

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要旨 無黄疸で診断された65歳,男性の早期胆管癌(深達度fm)症例について,US,EUS,術中USなどの超音波検査所見を中心に報告した.本例は,糖尿病治療中に腹部USスクリーニング検査で無症状,無黄疸で診断され,胆管癌の拾い上げ診断におけるUSの有用性を示唆する症例であった.また,USでは胆管壁に対応する高エコー層が温存されており壁外浸潤はないものと考えられた.EUSでは胆管壁の3層構造が描出され,腫瘤直下で外膜(af)を含む線維筋層(fm)を示す低エコーの第2層が温存されていることから深達度はfm以浅と診断でき,また第1層(粘膜を含む境界エコー)の不整・肥厚の所見から壁内浸潤が診断された.これらの所見は,術中USでも同様であり,切除標本の水浸下USでも確認された.EUS,術中USの所見は病理組織所見によく一致し,胆管癌の深達度・進展度診断におけるEUSおよび術中USの有用性が示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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