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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻8号

1994年07月発行

文献概要

症例

粘膜下腫瘤型(0-Isep)を示した食道上皮内癌の1例

著者: 中村正樹1 石橋智子1 梅津仁1 竹内正人1 山口俊和1 大場敏明1 大野義一朗2 渡部実2 並木真生3 下正宗3 加藤敏明3 武本憲重4 清水宏4

所属機関: 1代々木病院内科 2代々木病院外科 3代々木病院病理科 4癌研究会付属病院内科

ページ範囲:P.852 - P.856

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要旨 患者は58歳,女性.原爆に被爆.内視鏡では切歯より29~32cmの食道右側壁に立ち上がりのなだらかな,高さが2~3mm程度の隆起性病変があり,病変の口側では縦長の白苔が付着したびらんが2個存在し,その肛門側に発赤が認められた.白苔,発赤に一致してヨードに不染であった.X線では小顆粒状の透亮像の集簇所見があり,壁伸展不良,壁不整などの所見を認めなかった.病理組織所見は0-Ⅱa,深達度epで,癌は周辺の上皮より0.1~0.2mm厚いのみで,粘膜固有層に軽度の線維化や,胚中心が目立つリンパ濾胞の形成があり,更に周囲の粘膜下層では血管の拡張と出血を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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