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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻8号

1994年07月発行

文献概要

用語の使い方・使われ方

彎入(indentation)

著者: 磨伊正義1

所属機関: 1金沢大学がん研究所外科

ページ範囲:P.748 - P.748

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 潰瘍や癌性変化により胃壁内に細胞浸潤,結合織増生があると,この部位の胃壁は尋常な弾力性を失い,攣縮性切痕を形成する.これを彎入という.

 多くは小彎側に存在する潰瘍性病変により固有筋層に限局性のspasmが生じ,大彎側に向かい,刺すように切痕を形成する.この彎入は平滑で深く,しばしば1cm以上に及ぶこともあり,その所見は恒常性で圧追や鎮痙剤投与によっても消失しない.多くは小彎側に潰瘍性病変が存在した場合に大彎側の攣縮性彎人としてみられ,部位的には,胃穹窿部,胃体部や幽門前庭部にしばしば認められる所見である.消化性潰瘍が治療すればこの彎入は消失することが多いが,多発潰瘍の治癒期には,胃の変形を来すことが多い.一方,癌性潰瘍に伴って出現する彎入は栂指状圧痕を示すことが多く,その辺縁は不整,硬化,不調和な辺縁像として描出され,癌の浸潤に伴って彎入は増悪する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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