icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻8号

1994年07月発行

文献概要

--------------------

海外文献紹介「無酸症はNSAID服用中の良性胃十二指腸潰瘍の発生を防がない」

著者: 新田康夫1

所属機関: 1愛知県がんセンター消化器内科

ページ範囲:P.836 - P.836

文献購入ページに移動
 Achlorhydria does not protect against benign upper gastrointestinal ulcers during NSAID use: Janssen M, et al (Dig Dis Sci 39: 362-365, 1994)

 酸のないところに良性の胃十二指腸潰瘍が存在しないことは,一般に認められている.今回,NSAID服用中の患者において,無酸の血清学的証拠の有無と良性胃十二指腸潰瘍の発生頻度について検討を行った.857症例について,年齢,性別,NSAIDの服用,胃十二指腸潰瘍の既往についてアンケート調査を行った.

 無酸症の定義は,血清pepsinogen A<17μg/lとした.全患者中の36症,4.2%がこの基準に該当した.胃十二指腸潰瘍は,PgA<17μg/lでは8.3%,それ以上では69%に認められた.PgA<17μg/lで,胃十二指腸潰瘍を認めた3例は,いずれも悪性貧血患者で(潰瘍が以前に診断された2症例,同時診断された1症例)NSAIDを同時に服用していた.H. pyloriに対するIgG,IgA抗体は認められなかった.また,NSAIDの服用を中止することにより,病変の治癒が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?