今月の主題 食道のヨード不染帯
主題 Ⅱ.食道癌早期診断におけるヨード染色法
集検におけるヨード染色法の有用性―特に食道m癌の発見を目的として
著者:
西沢護1
大倉康男1
八巻悟郎1
志賀俊明1
野本一夫1
牧野哲也1
大村秀俊1
細井董三2
岡田利邦2
山田耕三2
中村恭一3
遠藤光夫4
竹下公矢4
吉野邦英4
河野辰幸4
井上晴洋4
出江洋介4
所属機関:
1東京都がん検診センター
2多摩がん検診センター
3東京医科歯科大学医学部第1病理
4東京医科歯科大学第1外科
ページ範囲:P.891 - P.903
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要旨 食道m癌発見のためのヨード染色の有用性と集検への応用について,次のような結果を得た.①食道m癌の発見を増加させるためには,健康人を対象とし,細径パンエンドスコープ受診人口の増加,内視鏡継続検診者(隔年)の増加,50歳以上男性に対するヨード染色のルーチン化などをシステム化することで,食道表在癌90%,食道m癌60%以上の成績が得られるようになった.②固定集団の施設逐年集検で,隔年細径パンエンドスコープと毎年X線TVのいずれかを選択させることにより,それぞれの群にほぼ50%ずつの希望受診者があったが,5,000人の対象者の15年間の継続検診から11例の食道癌が発見され,そのうち食道m癌4例はすべて隔年内視鏡検診群から発見され,50歳以上の男性に対するヨード染色の併用が非常に効果的であった.