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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻9号

1994年08月発行

文献概要

今月の主題 食道のヨード不染帯 主題 Ⅱ.食道癌早期診断におけるヨード染色法

悪性腫瘍症例におけるヨード染色法の有用性

著者: 吉田操1 葉梨智子1 長浜雄志1 広瀬哲也1 稲田一雄1 青木文夫1 榊信廣2 門馬久美子2 山田義也2 菅知也2 小池盛雄3 滝澤登一郎3

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院内科 3東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.905 - P.909

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要旨 悪性腫瘍を有する症例,あるいは悪性腫瘍に対する治療を受けた症例における,食道癌のヨード染色併用内視鏡的スクリーニングを試みた.既に食道癌の判明したものや,食道症状を有するものは除いた.203症例(頭頸部癌45例,食道癌50例,胃癌79例,結腸直腸癌17例,および原発不明癌12例)の54%にヨード不染帯を,また食道癌を6.9%に認めた.発見食道癌は,すべて0-Ⅱ型を示し,深達度はm1(13例),m2(1例)であった.全例に対して,内視鏡的粘膜切除法による治療が適応となった.不染帯および食道癌の発見頻度は,従来の報告と比較して明らかに高率であった.この結果は,悪性腫瘍症例に対する内視鏡的食道癌スクリーニングの有効性を示すものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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