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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻9号

1994年08月発行

今月の主題 食道のヨード不染帯

主題 Ⅱ.食道癌早期診断におけるヨード染色法

食道ヨード不染帯の経過観察

著者: 大森泰12 幕内博康3 熊谷義也4

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院外科 2慶応義塾大学医学部中央臨床検査部 3東海大学医学部第2外科 4熊谷サテライトクリニック

ページ範囲:P.911 - P.919

文献概要

要旨 集検施設において健康成人を対象として,食道癌high risk group を設定し,食道ヨード染色併用内視鏡検診による,食道ヨード不染帯と早期食道癌のスクリーニングを行った.内視鏡検査31,776例中1,512例にヨード染色が施行され,ヨード染色例中546例(36.1%)にヨード不染帯が発見され,14例(0.93%)の食道癌,35例(2.31%)の異型上皮が発見された.癌・異型上皮によるヨード不染帯は径5mm以上の明瞭な不染帯となることが多く,不染帯の色調が鑑別の重要な点と考えられた.不染帯の経過観察では異型上皮と診断されたヨード不染帯35例中8例に経過観察中に食道癌が確認され,これらの例ではその変化の時間的経過は緩やかであり,確実な内視鏡経過観察を行うことが重要であると考えられた.変化を来す可能性の高い不染帯の形態,対策についても検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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