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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻9号

1994年08月発行

文献概要

今月の主題 食道のヨード不染帯 主題研究

5mm以下のヨード不染帯の検討―微小不染帯の臨床的意味は何か

著者: 島田英雄1 幕内博康1 町村貴郎1 水谷郷一1 菅野公司1 千野修1 西隆之1 田仲曜1 松下啓二1 佐々木哲二1 田島知郎1 三富利夫1 青木純2 長村義之3

所属機関: 1東海大学医学部第2外科 2東海大学東京病院内視鏡内科 3東海大学医学部病理

ページ範囲:P.921 - P.930

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要旨 14例の食道癌の術前内視鏡検査で発見された5mm以下の微小ヨード不染帯81病巣を切除標本上で確認し病理組織学的に検討すると,扁平上皮癌が6病巣(7.4%),異形成が10病巣(12.3%)で,その他は1例を除き良性の病変であった.上部消化管スクリーニング検査での89例から,5mm以下のヨード不染帯230病巣と5mmより大きく10mm以下の75病巣,計305病巣を発見し生検したが,癌は5mm以下で2病巣(0.9%),5< ≦10mmで9病巣(12.0%)と,5< ≦10mmでは頻度が約13倍高くなった.異形成はそれぞれ65病巣(28.3%),21病巣(28.0%)と頻度の差はなかった.内視鏡検査で小さいヨード不染帯を発見したとき,①10mm前後であれば中央から1個生検を採る,②5<≦8mmでは生検により病変が不明となったり,基底層型上皮内癌では,病理診断が難しく,癌を疑う場合にはEMRを行う,③5mm以下では経過を観察すること,がよいと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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